心の旅路

第1話「人間とは何ぞや」関連の参考講話 短編集                                                      


   2、想念帯を読む師                更新

(『出会い』参照)

高橋先生という方は、心の中にある想念帯という処を観る訳です。
これは、この世的に言えば、自分がこの世で思った事・行った事、毎日の一秒一秒の事が、ここに全部記録されている。一つとして漏らしていない。ですから先生は、
「あ、あなたは、昭和〇年〇月〇日の何時頃、こんな事をしましたね」
「えーっ!(笑)いやぁ、そんな覚えはありませんが……」
「よーく思い出してご覧なさい」
――出て来るんですねぇ。「何で分かるんですか?」と訊く訳にもいかない。
高橋先生という方は、人の想念帯が全部読める方なんですよ。過去帳じゃないですけど、全部引っ繰り返して観たら、全部分かるんですね。今現在の事からその人の過去転生の過程まで全部書いてある。先生は書いてあるのを、ただ読むだけ――。
ところが、読むだけではなくて、その人の一秒一秒の体の動きから行っている事まで姿が全部観えるんですね。私なんかよく言われましたよ、
「あなた、この時、こんな格好をしてたじゃないの」
「えーっ!」(笑)
――こんな事が出来る人は何処にもいないんじゃないでしょうか。
本当にそういう人に会ったら、もう何も言えないですね。私なんか、本当に強烈でしたよ。
これは或る日、先生を訪ねてみえた牧師さんがいらっしゃった。事務所の応接室で先生と話を始めたんです。
私は机に座って仕事をしていたんですが、その会話が聴こえてきたんですね。聴いていると、まぁ、牧師が先生を持ち上げるような事ばっかり言ってるんですね。また調子のいい事を言ってるんですよ。
そして、その牧師さんが話を終わって帰られた。で、先生が見送りから帰って来て、私の前をスーッと通って行くのかと思ったら……私の机の前でピタッと止まった。
「何だろう?」と思って、顔を見上げたら、
「朽木さんね、今帰ったお客さんの事、何て思ってた?」(笑)
なんて言われて、もうドキッとした訳です。
「いゝえ、私は何も思っておりませんが……」
――聴こえないんですから、「いゝえ」って、言いますよねぇ。そうしたら、
「嘘だよねぇ、お客さんの事、『なんだ、この野郎』って批判してたでしょうが」(笑)
――まぁ、言われて、もうカーッとなって……もう分かってるんですよね。(笑)
その時の私は、「なんだ、この野郎、調子のいい事ばかり言いやがって、牧師だなんて、な〜に言ってやがるんだ」と思ってた訳ですよ。(笑)
世の中には、そういう人もいるんですよね。――いや、いるから(心の教えを)やるんじゃないですけれどもね。いてもやらない。そして、おかしな事ばっかり考えたり、言ったりする訳です。そして、
「あなたは、こんな部屋で反省していますね。下に絨毯の代わりにこんな毛布が敷いてあって、机があって、花が置いてあって、ここに戸棚があって、戸はこんな戸ですね。そしてあなたは、こんな格好で反省をしていますね」
――もう、みんな言われる。(笑)その通りに言われるから、本当ですよね。
物だけじゃなく、心の中を全部言われる。もう吃驚どころじゃないですね。
で、終いに、先生と話してる時に、
「あなたはね、今、私と話をしながら、こんな事、考えながら話してますよね」
――もう、その通りなんですね。一体、何処で分かるのかなと思いますよね。
それからは、「これはもう嘘が言えない人がいる」と、そう思いましたねぇ。それまでは、ズーッと嘘を言ってたんですねぇ(笑)、調子のいい事ばかり言ってね……。
そういう人がいるから、(心の事を)やるのではなくて、人間というものは、正直にならなくてはいけない。
ですから、心をちゃんとしてやれば、何も隠すような事は無くなる訳ですよ。
しかしながら、何かしら私も――私なら私の与えられた範囲だけ――(想念帯に書いてあるものが)段々分かるようになってきたんですね。「あ、これは高橋先生が仰っていたのは本当だ」と思いましたね。
こういう事が分かった時、これは本当に心というものがあるんだなということが、はっきり分かりましたね。これは不思議でも何でもないんですよ。
本当はあの世というものは、全部分かるようになっているんです。喋らなくても分かるようになっているんですよ。   1983年11月


                                                 
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